動物に住みつかれて駆除したいと思った時に読む記事
【結論】
- 直接的なダメージを与えない『威嚇』
- 侵入経路が発見できた場合は『経路の遮断』
- 居ついた動物に合わせた『追い出し(いやがらせ)』
動物に住みつかれてしまったときに「自分で捕まえてやる!」とか「おっぱらってやる!」とか思われる方もおられると思います。
ただ、これはあまりおすすめしません。
結果的に決して安くない『プロへの依頼』が、もっとも確実なだけでなく『もっとも安価』に問題を解決できることが多いからです。
つまり、『やったことで時間と費用が余分にかかるが問題は解決できなかった→あらためてプロへの依頼』ということになってしまう可能性が非常に高いのです。
そのぐらい害獣駆除というのは『プロの仕事』が必要になります。
しかし、そうは言っても『プロに依頼すると最低でも10万円からなんでしょ?』とおっしゃられるかもしれません。
それは、その通りです。
決して安い金額ではありませんので、できれば自分でという気持ちもとてもよくわかります。
ただ、『その安価ではない依頼料こそが問題解決の最安値』になることが多いのが『害獣駆除』の現実なのです。
これは……
- そもそもなんの成果もあげられなかった
- 清掃殺菌が不十分で別の問題が発生した『建屋や設備の修繕が必要だったのに気づかず、後に大出費が必要となる大型修繕をやる羽目になった
- 再発防止策をとっていなかったので、すぐに違う個体により問題が再発した
などの大失敗を経験するとおおいに同意していただけると思いますが、その時に支払うことになる勉強料が安く済まないことも多く、できればそうなる前にきちんと知っておいていただきたいと思います。
しかしながら、それでもなお自分でも試してみたいという方もおられるかもしれません。
そういう方に、この記事では『一般人がやるとして、どんな方法が試せるのか』を簡単にご紹介していきます。
害獣への『対処』を行うのに必要な工程
害獣への『対処』とは……
- 調査
- 害獣駆除/追い出し
- 清掃
- 除菌/殺菌・消毒
- 再発防止対策
- 修繕
『害獣駆除』を含めた『害獣問題への対処』を行うには、最低限必要になる工程が上記のようになります。
ケースバイケースで他の工程が必要になることももちろんありますし、プロに依頼したときには『調査』がサービスで無料になることも多く、見積もりを取ると『害獣駆除→修繕』までの工程で見積もられたりもします。
しかし、通常害獣問題に対処しようと思うと、最低限この6つの工程をを行う必要があります。
ただし、次で説明しますが日本では『家ネズミ』以外はどれだけ被害があろうと免許や許諾なしでの捕獲は認められていないため、一般人による駆除とは通常は『追い出し』になります。
そもそも『捕獲』することは難しいですが、試すこと自体も許されておりません。
また、仮に『家ネズミ』でも生きた状態で捕獲してしまうと当然自分で殺処分と、その死体の後始末もすることになります。
ですから自分で『捕獲』を試すときは、捕まえる方法だけでなく、その始末の方法も必ず考えておかなくてはなりません。
もし、この『後始末』を考えずに捕獲してしまうと、仮に捕獲に成功しても途方に暮れることになります。
このように『害獣駆除』は、害獣を捕まえることも習性を含めた様々な専門知識を必要とする専門作業になりますが、実は他にやらないといけない作業工程が一般人には輪をかけてハードルの高いものばかりなのです。
このことが、害獣への対処は自分でやるのではなく最初から『プロに依頼するべきだ』というおすすめしている理由の1つになっています。
動物の駆除で『捕獲』することも『狩猟』である
どれだけ被害が出ていようと動物を『捕獲』しようとするならば資格と許可が必要になります。
『捕獲』は『狩猟』と見なされるため『捕獲』をするときには『狩猟』時に必要な免許や許可が必要になりますし、また『狩猟』するときに縛られるさまざまな制限(狩猟期間など)も同等に課せられます。
動物を狩猟するために必要な資格
害獣駆除でも、捕獲しようとする場合などは『狩猟』と見なされます。
したがって、まず『狩猟免許』が必要になります。
『狩猟』を行おうとする場合、一般的には『狩猟免許』を取得し『狩猟者登録』をすることによって許可されます。『狩猟免許』『狩猟者登録』ともに都道府県に申請して取得します。
【狩猟に必要な資格】
狩猟免許
実際に狩猟をするには、『狩猟免許』を取得したうえで『狩猟者登録』を行ったうえで、『狩猟者登録』が必要になります。
『狩猟免許』は取得すると効果は日本全国に及びますが、『狩猟者登録』は各都道府県ごとに別途登録が必要になります。
狩猟免許があれば、なんでも狩猟してよいというわけではありません。
鳥獣保護法第2条第8項にて『この法律において「狩猟」とは、法定猟法により、狩猟鳥獣の捕獲等をすることをいう。』とされており狩猟鳥獣以外を捕獲することはできません。
また狩猟鳥獣に関しては鳥獣保護法第2条第7項にて定義されていて、『この法律において「狩猟鳥獣」とは、希少鳥獣以外の鳥獣であって、その肉又は毛皮を利用する目的、管理をする目的その他の目的で捕獲等(捕獲又は殺傷をいう。以下同じ。)の対象となる鳥獣(鳥類のひなを除く。)であって、その捕獲等がその生息の状況に著しく影響を及ぼすおそれのないものとして環境省令で定めるものをいう。』とされています。
しかし、狩猟免許の取得を必要としない例外的な狩猟として『自由猟法』を用いた狩猟もあります。この『自由猟法』とは鳥獣保護法で定められた『法定猟具』を使用しない猟法のことを言います。
一般的には『狩猟』をする場合『狩猟免許』が必要になりますが『自由猟法』を用いて狩猟する場合は免許を必要としません。
【自由猟法例】
- スリングショット(パチンコなど)
- 鷹狩
- 素手・投石
自由猟法は『法的に認められた猟法(法定猟法)ではないが禁止もされていない猟法』という、いわば非常にグレーな猟法です。
言葉通りに、『この猟法ならば自由に狩猟ができるという意味ではありません』。
自由猟法とその猟具を使用しても、実際に狩猟をするには各都道府県に『狩猟者登録』が必要になりますし、狩猟ができる区域や期間、法令なども当然鳥獣保護法が適用されます。
つまり、違反すれば当然処罰されますし、免許外の猟法でやっていたから『知らなかった』と言っても通用しません。
『狩猟』をしてよい動物は鳥獣保護法で定められている
『狩猟』は鳥獣保護法第2条第8項にて『この法律において「狩猟」とは、法定猟法により、狩猟鳥獣の捕獲等をすることをいう。』と定められているため、逆に言えば『狩猟鳥獣』以外の狩猟は日本では認められていません。
『家ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)』と『モグラ※農業または林業の事業活動に伴いやむを得ず行われる捕獲において』以外の捕獲は狩猟免許が必要です。
【狩猟鳥獣】
(狩猟制度の概要 /環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室 より)
鳥類(28種類)
カワウ、ゴイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く。)、キジ、コジュケイ、バン、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
獣類(20種類)
タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(ツシマテンを除く。)、イタチ(雄)、チョウセンイタチ、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌ-トリア、ユキウサギ、ノウサギ
現在法律が緩和されて農業・林業に従事者による『小型の箱罠による小動物の捕獲』が特定条件下でできるようになっていますが、これはあくまでも『農業・林業関係者が特定条件下において』という緩和です。
また、『役場に申請して認可してもらう必要があります』。
『誰もが』『勝手に捕獲してもよい』という緩和ではないのでご注意ください。違反が発覚すれば処罰されます。
【小型の箱罠による小動物の捕獲の条件】
ワナを設置できるのは、自宅敷地内もしくは自らが管理する農地の敷地内に限ります。使用できる猟具は小型の箱オリ、手網もしくは囲いワナです。(くくり罠や大型の箱オリは狩猟免許がないと扱うことはできません)
狩猟免許の区分
狩猟免許は猟法の種類で4つの区分があります。
第一種銃猟免許/
装薬銃(ライフル銃および散弾銃)・圧縮ガス銃および空気銃
第二種銃猟免許/
圧縮ガスおよび空気銃
網猟免許/
網(むそう網・はり網・つき網・なげ網)
わな猟免許/
わな(くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわな)
狩猟免許 /wiki
一般住宅で主に問題となる害獣は?
人間の生活圏で被害を出す動物はすべて『害獣』になります。
しかしここでは、山林との境である地域や特殊な事情のある地域ではなく、一般的な市街地やその周辺といった場所で問題を起こしている害獣で代表的なものは次の通りです。
もちろん、これ以外にも人間の生活圏で問題を起こす動物はいますが、あくまでも代表的な動物として上記をあげました。
動物を駆除する方法は?
まず前提としてきちんと理解しておいていただきたいのは、多くの方は『家ネズミ』以外の捕獲は、どれだけ被害が出ていても鳥獣保護法により認められていないということです。
ですので、免許のない一般人ができる『捕獲』は『家ネズミ』のみとなります。
【ねずみ捕獲アイテム】
- 毒えさ
- とりもちシート
- ねずみ捕り(わな)
などが代表的な駆除アイテムとして市販されていて、駆除アイテムやサポートアイテム含め各メーカーが工夫を凝らしたものを購入することができます。
一方で、駆除には『追い出し』という考え方もあります。
こちらは『威嚇』や『害獣の習性を利用した不快環境化(いやがらせ)』が該当します。
【威嚇】
- エアガン
- 爆竹やロケット花火など
- 明滅光による威嚇(CDを利用した鳥よけなども含む)
【害獣の習性を利用した不快環境化(いやがらせ)】
- 夜行性の動物が巣作りした場所にLEDライトを設置
- 嗅覚に優れる動物に忌避剤を使用するなど
- コウモリの追い出しなどに超音波発生器を使用
威嚇
- エアガン
- 爆竹やロケット花火など
- 明滅光による威嚇(CDを利用した鳥よけなども含む)
狩猟免許および狩猟者登録のない一般人に許されている駆除方法の1つは、まさに『威嚇』です。動物に直接攻撃を加えた場合、通報されると『鳥獣保護法』違反で処罰される可能性があります。
エアガンには免許が必要な『空気銃(実銃)』といわゆるオモチャの空気銃である『エアソフトガン』があり、一般人でも簡単に入手できるのはオモチャの『エアソフトガン』の方のみとなります。
実際の効果としては、エアソフトガンによる威嚇射撃(当てずに動物の近くを射撃)にしても、ロケット花火による威嚇にしても、はじめのうちは一定の効果が期待できます。
しかし動物は賢く、慣れてくると威嚇射撃で追い払ってもすぐに戻ってくるようになったり、個体によっては軽く避けるような仕草をするだけで大きく逃げて行かなくなったりします。
CDによる鳥よけも、同様の傾向が見られます。
害獣の習性を利用した不快環境化(いやがらせ)
【害獣の習性を利用した不快環境化(いやがらせ)】
- 夜行性の動物が巣作りした場所にLEDライトを設置
- 嗅覚に優れる動物に忌避剤を使用するなど
- コウモリの追い出しなどに超音波発生器を使用
こちらは、害獣の嫌がる環境に変えることで巣を放棄するように仕向ける方法です。
これは業者も同様の考え方で追い出しを行うことがあります。
効果としては、一般人が行うならもっとも成果を出しやすい駆除方法と言えるでしょう。
しかし問題は、一般人がやるには『下準備が難しい』という点です。
害獣の習性を利用して追い出すので、施工後の効果は一般人が設置したものでも発揮しやすいという特徴はあります。
しかしながら、同時に『何が住みついているのか』『侵入経路』『巣にしている位置』などの情報を事前にきちんと確定させられている必要がありますし、また住みついている害獣の習性もきちんと知っている必要があります。
そして、追い出しが成功したあとには巣跡などの状態次第では『清掃』『殺菌・消毒』といった作業も待っています。
したがって、作業自体は一般人でも可能な方法がいくつもあったり、実際にやれたら効果も発揮しやすいのが『いやがらせによる追い出し』なのですが、現実的にきちんと『対処』し『後始末』もしっかりしようと思うと一般人では少々荷が重いというのが実情です。
一般人でもやっていい駆除とは?
すでにご説明してきたとおり多くの方は……
- 家ネズミの『捕獲』『駆除』
- その他の動物は『追い出し』(※ただし、直接攻撃を加えてはいけない)
のみしかできないと思っていただいて大きな間違いはありません。
野生動物は、基本的に『鳥獣保護法』によって法的に保護されています。
実際に一般人がやる駆除って効果はどのくらいあるの?
『問題の解決』という意味では、まずほとんど成果が得られずに終わります。
しかし、効果があるのかないのかという話では、『はじめのうち』と『限定的な部分に関して』成果が得られることがあります。
『はじめのうち』は効果がある
これは主に『威嚇』に関しての傾向になります。
エアソフトガンによる威嚇射撃にしても、爆竹・ロケット花火による音での威嚇にしても、最初はかなり効果があります。
ですから驚いて逃げていくところを見ると、成功したと感じることもあると思います。
しかし、問題はすぐに『慣れる』ということです。
直接『被害がない』と動物が学習してしまい、多くはもしもに備えて軽く逃げたり警戒態勢をとりますが、はじめのころのように退散したりはしなくなります。
ふてぶてしい個体になると、反応すらしてくれなくなったりもします。
ですので、このはじめの成果をもって『効果あり』とするかどうかは判断がわかれるところです。
ただ、『問題の解決』を成果の終着点とするならば、あまり効果的とは言えないだろうというのが私の個人的な見解です。
特にエアソフトガンによる威嚇射撃をするときの注意点になりますが、『弾の素材』には気をつけてください。
エアソフトガンの主流はBB弾とよばれる小さなプラスチックの弾を使用しますが、通常のBB弾を使うと土地にプラスチックをまき散らし続けることになって後々大変なことになります。
ですので、エアソフトガンによる威嚇射撃を行う際は生分解性の『バイオBB弾』を使用するといいでしょう。一般的な話として2~3年くらいで分解されると言われています。
また、ロケット花火や爆竹も『残骸は残る』ということはきちんと把握しておくべきです。
害獣への威嚇は1回の処置ですむことはほどんどなく、こういった小さな問題は累積していき大きな問題になることがあるので注意が必要です。
『限定的な部分に関して』は効果がある
こちらは主に『害獣に対するいやがらせ(追い出し)』を行う際に知っておきたいことです。
害獣の習性を利用して追い出すので(例えばアライグマ・ハクビシンなどは非常に嗅覚がすぐれているため忌避剤を使って追い出すなど)、『追い出す』ということに関しては一定の効果を発揮します。
ただし、『害獣への対処』は『調査/駆除・追い出し/清掃/除菌/殺菌・消毒/再発防止対策/修繕』まで行ってはじめて問題解決となります。
つまり『清掃/除菌/殺菌・消毒/再発防止対策/修繕』がまるっと処置されずに残るので応急処置的にはやる意味があるのですが、もし『清掃/除菌/殺菌・消毒/再発防止対策/修繕』を放置したままにするならば、それは『根本的な解決にはなっていない』ことを心に留めておく必要があります。
最終的に……害獣駆除はやっぱり『プロの仕事』
以上の事から、一般人が害獣駆除を行うことは難しいと言わざるを得ません。
このたびは、『やるとしたらこういうことを知っておく必要がある』『やるとしたらこんな方法がある』といった視点で情報をご紹介させていただきましたが、率直に言うと『ご自身でやろうとすることはおすすめできません』というのが私の意見になります。
やはり、なにがしかの害獣に住みつかれてしまったことが確認できたときは、すみやかに『信用できるプロに依頼する』のが一番の解決方法だと思います。
【おすすめしている害獣駆除業者】
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まとめ
動物に住みつかれてしまい駆除しようとお思いになっている方に向けて、情報の提供とちょっとしたご忠告をさせていただきました。
害獣への対処は、一般人が考えているよりもずっと専門的な知識や経験、装備、そして資格などが必要になります。
一般人がやろうと思っても、多くの場合は『無駄銭を使う』ことになってしまいかねません。
ですので、悪いことは言わないので信用できる業者を探して見積もりを取り、きちんと『対処』してもらってください。
本当に対処しようと思うと決して安価ではできませんので、「こんなにかかるのか……」とお思いになるかもしれません。
しかし、自分でやろうとしてもきちんとできずに最終的に業者に依頼することになる可能性がきわめて高いです。
『二度手間』になるうえ『勝った市販アイテムなどの料金が余分にかかる』可能性が高いのです。
それゆえに、素直に最初から業者に依頼するのが実は『もっとも安価』になってしまいます。
このあたりのことをきちんと把握していただいた上で、どうするのかをご判断いただければと思います。
もちろん私のおすすめは『最初から信用できる業者に依頼する』です。
害獣駆除が必要になったときの基礎知識全般について解説!
→害獣駆除が必要になった時に知っておきたいこと
害獣駆除の相場について、もう少し詳しく知りたい!
→害獣駆除の相場は?悪徳業者にだまされるな!